形意名手シリーズ, 形意拳術 【形意名手】天下を打つは半歩崩拳『郭雲深』 2022年11月21日 / 郭雲深、字を峪生、生没年は約1820年―約1901年とされ、清代の道光帝から光緒帝の時代にかけて活躍した人物です。河北省深県馬庄で生まれ、体格は逞しく性格は剛毅、義侠心があり幼い頃より武芸に親しんでいました。同治帝の最初の年(1862年)李洛能に拝師し門下となり形意拳術を学び、熱心に研究を続ける中で真髄を心得ることででき、三層道理、三歩功夫、三種練法、三層呼吸、三層用法などの練習時の要素をまとめ、極めて緻密な論述をされました。 郭雲深は直、魯、豫及び東三省を巡りましたが郭に敵う相手はおらず、それ故に「半歩崩拳打天下」と呼ばれました。光緒帝の時代には西陵で教え、六陵の総監にも任命されており、潭崇杰の家で武術教師を務めていました。 また郭は正定県の府知事の銭錫買の幕賓(幕下に招聘され,機密にあずかる顧問)となり、その息子の銭観堂に武術を教えました。その後郭は、人々を脅かす賊の命を傷つけたとして三年間投獄されました。出獄後は諸国を放浪し最後は北京にたどり着きました。晩年は故郷で隠居生活を送り、70歳でこの世を去りました。郭は生涯を通じて多くの弟子を教えましたが王福元、李奎元(殿英)、銭観堂、許占鰲、劉永奇らが著名な弟子です。